スプレー缶を握ったモデルが会場中央に据えられた白いキャンバスの上を歩くたび、靴底につけたペンキが足跡を残していく。そんなペインターたちのスタイルを表現した演出が心憎い。スタイリングでは、時代の経過とともに変化するペインターウエアと、ストリートアートをテキスチャーに落とし込んだアイテムの数々が登場した。
注目は、バリエーション豊かに登場したボトムス。裾を絞ったスウェットやナイロンのパンツから、センタープレスと極端なほどのボリュームが相まって新鮮な印象を与えるトラウザーまで、どれもストリートらしい味付けだ。さらに、レターマンジャケットやシャツの大きなポケットや、デニムに多用されたファスナー、マフラーやスカーフで口もとを覆うスタイリングなど、ペインターにとっての実用性を考慮したディティールへのこだわりも感じられた。
よ く見ると、モデルが被るキャップに"the faith of graffiti(グラフィティの信念)"とロゴが入っている。デザイナー尾花によって、ペインターたちの壁や路上に描いてきたアートそのものと、彼ら自 身のファッションスタイルを多面的に捉えることでグラフィティの奥に潜む彼らの「信念」を表現したコレクションとなっている。
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